こんにちは。
教育コンサルタントでいじめ研究家の品田奈美です。
今年も、砂町中学校にて「いじめ防止授業」を担当させていただきました。
昨年度は、コロナ渦真っ只中という中で、ギリギリまで開催が危ぶまれましたが、校長先生の熱い想いから開催が実現していきました。
さて、2年目はコロナ感染症が少し落ち着いてきたところで、引き続き2年生を担当させていただきました。今年度は、新しく赴任された池田校長先生に変わっての開催となりました。(11月30日)
当日の様子は、未来の子ども達プロジェクトのブログをご覧ください。
https://ijimegaowaru-houteishiki.com/1562/
今年の2年生は、非常に子どもらしい生徒達という印象で、元気いっぱいでした。
今年は、担任の先生からのご要望もあり、より実践的な内容がいいとのことでしたので、クラス単位での授業の時に使うワークシートを使って授業をすすめてみました。
体育館の多人数での授業で、ワークシートを使用するということは今まで経験がなく、どうなることやら?!と思っていましたが、子ども達は、上手に椅子を机代わりにしてワークシートに回答してくれて、とても楽しく授業がすすんでいきました。
ワークの内容は、至って簡単!『気の合う(好み)と感じる人の特徴と、合わない(苦手)と感じる人の特徴』について書いてもらいました。
このワークは、「相手を見ている自分」ということを体感していくワークです。所謂「相手」に貼り付けて見ている「自分の思考や思い込み」をあぶり出すための簡単なワークなのですが、最近の大人たちの回答をみても、これができない人が実に多いのです。なぜならば、相手を見ているようで全く見ていないのです。
自分のことは、書かないでね!という注意書きをし、事前説明をきちんとしても、「自分のこと」を書いてしまう人が非常に多いのです。
「自分を受け入れてくれるから」気が合う。「自分と同じ気持ちだから」気が合う。「自分と怒りのツボが同じだから」気が合う。「自分のことをわかってくれるから」気が合う。「一緒にいると自分が楽しいから」気が合う。というように、「自分」を登場させてしまうのです。
純粋に「相手だけを観る」ということが出来なくなってしまっているということです。自分にとって益があるかないかの目で人を見ているわけです。
特に、卑下感覚の人の特徴でもあります。「相手にどう思われているか」ということが気になって仕方がないのです。だから、相手の態度(特に、自分に対しての扱い方)を、異常に敏感に感じとってしまうのです。ちょっとしたことで、「私を裏切った」というように、相手の自分にとって少しの不可解な行動を「不信感」として感じ取ってしまうのです。
しかし本当は、そもそも自分への不信感をもともと持っていることにより、相手に対して不信感を抱くのです。
この当たり前の方程式がわからないが故に、些細な出来事までもが、「相手を信用出来ない」という目でみてしまうのです。まるで、漫才の世界なんです。
最近、本当にこの「自分カプセル」にはまり込んでいる人が多いのです。ひどい人は、過敏神経症のような病気レベルにまで至ってしまう人もいますので、本当に気をつけていきたいことです。
学校でも、この「過敏すぎる子」と、間逆の「鈍感すぎる子」に先生方も手を焼いているようです。その為に、最近考案したのが、この「相手を観る」というワークなんです。
「過敏に相手の気持ちを感じ取ってしまう子」と、「相手の気持ちに鈍感な子」は、全く同じエゴに侵されています。所謂、どちらも「自分カプセル」にはまり込んでいる状況なんです。そのあたりのことは、以前のブログにかかせていただいきましたので、参考になさってください。
https://www.iku-iku.jp/?p=2205
このような自分カプセルは、結婚の選択においても弊害となります。このような人は、「きっと私を大切にしてくれるだろう・・・」という判断基準で結婚するのです。だから結果として、夫源病のような症状がでてきてしまうのです。
「自分を大切にしてくれる」ところのみを見て、その自分を受け入れてくれる夫のみを受け入れ、それ以外の夫のことは殆どみていないのです。夫が何に悩み、夫がどんな気持ちでいるのか。はお構いなし。そんな女性が本当に沢山います。そのような人は、「夫とは、父親のような大きな愛で私を包み込んでくれる相手」として、捉えているのですから本当に困ったものです。
もちろん、男性も同じ。男性の場合は、妻を母親変わりに捉えている人が沢山います。「勘違いもいい加減にしろ!」と言いたい世の女性は山程いることでしょう。。。笑
夫婦は、親子ではありません。夫婦は横の関係性であり、支え合いの関係性です。共に成長していくパートナー。愛をくれる相手ではなく、お互いでお互いの愛を育んでいく成長プロセスを味わう為の存在なのです。
この親子(愛情)のすり替え願望をもった「子ども型夫婦(愛の欠乏感夫婦)」に育てられた子どもに、問題行動が起きてしまうのは、必然の法則となることは、誰もが理解できることでしょう。
また最近、相手の長所と短所を書き出すワークで、全てを行動で書き出す人がいます。これには、本当に驚いてしまいます。
夫の短所に、「掃除をしてくれない」とか、「テレビを見ている時にゲップが大きい」とか、長所としては「数学ができる」とか・・・これって、長所・短所でしょうか???本当にびっくりしてしまいます。
その人の人間性や個性ではなく、外側の行動だけで相手を見て判断しているという現状です。行動だけをみて判断しているならば、ロボットと暮らしているのと同じです。それならば、ペッパーくんが夫になったら、妻の怒りは収まるのでしょうか?
掃除して待ってくれるロボット、肩もみをしてくれるロボット、洗い物をしてくれるロボットと暮らしたほうが、心が安定するということなのでしょうか・・・困ったもんです。
このような人は、周りに振り回されてクタクタになる人です。家族に振り回され、環境に振り回され・・・・特に、時間に縛り付けられている人が多いでしょう。当たり前の法則です。
このような人は、自分自身のことを行動でジャッジをして縛り付けているからなのです。義務感で家庭を持つと、本当に苦しい生活になってしまいます。
さて、こんなところで、今日の話は終わりにしておきましょう。
このような大人達の失敗を繰りかえさないためにも、子ども達には早い段階で「自分カプセル」に気付けるよう、きちんと教育していきたいものです。
ということで、今回も、中学2年生たちに「自分カプセル」についてお伝えさせていただきました。
廊下に「いじめ防止」の子ども達のスローガンが掲示されていました。↓↓↓
まだまだ頭の柔らかい子どものうちに、新しい概念をとりいれさせてあげることが重要ですね。
ありがとうございました。